コンクリートがひび割れる5つの重大な理由
コンクリートのひび割れは、建物の外観だけでなく、構造の安全性や寿命にも影響する。この現象は、乾燥収縮、自己収縮、塑性収縮、熱収縮、自己(化学)収縮の5つの重大な原因によって引き起こされる。
1.水分損失による乾燥収縮
乾燥収縮は、コンクリートの毛細管孔やゲル孔に含まれる水分が、不飽和空気環境下で失われることによって起こることがほとんどである。高性能コンクリートは空隙率が低いため、通常のコンクリートに比べて乾燥しにくい。しかし、マスコンクリートでは乾燥収縮の累積効果が大きな威力を発揮する。コンクリート中の水分損失は人体のそれと同じで、内部構造に変化をもたらす。この変化によって発生する応力がコンクリートの引張強度を超えると、ひび割れが発生する。
2.初期硬化時の塑性収縮
塑性収縮は、硬化前の塑性段階で見られる。高性能コンクリートは、低い水ゲル比、少ない自由水、水に対してより敏感な微細なミネラル混和剤を特徴としており、これはブリードせず、素早く水を失うことを意味する。これらにより、高性能コンクリートは塑性収縮を起こしやすくなる。コンクリートは完全に固まる前に表面で水分を失い、内部では安定した塑性状態にとどまる。このような違いは、表面に引っ張り応力を生じさせる。この応力が引張応力以上になると、ひび割れが発生する。ひび割れは非常に薄いが、コンクリート表面に多数、密集して分布している。
3.自己収縮 - 湿度変化のせい
自己収縮とは、セメントの水和に伴ってコンクリートの閉じた内部構造で湿度が低下することを指す。このような現象により、細孔内に不飽和水が生じる。その結果、負圧が生じ、コンクリートの自己収縮を誘発する。水ゲル比が低いため、高性能コンクリートは初期段階で強度が高くなり、水分の損失が速くなる可能性がある。間隙系の相対湿度は80%を下回る。一方、高性能コンクリートの緻密な構造は、外部からの湿気を阻止するため、自己収縮を悪化させる。
4.熱収縮-熱膨張による損傷
強度が要求される大容量のコンクリート・プロジェクトでは、より多くのセメントが必要となる。そのため、水和熱も大きくなり、35~40℃程度まで急速に加熱される。初期温度に加え、最高温度は70~80℃を超えることもあります。コンクリートには熱膨張と冷間収縮という性質があり、CTE(熱膨張係数)は10×10-6/℃です。温度が20~25℃下がると、コンクリートの極限引張値が1~1.5×10-4であるのに対し、冷収縮は(2~2.5)×10-4程度と計算できる。そのため、冷収縮による応力はコンクリートの引張強度を容易に超えてしまう。その結果、ひび割れが発生し、コンクリートの表面から内部へと広がり、その構造に深刻な影響を及ぼす。
5.自己収縮-水和の副作用
自生収縮は化学収縮とも呼ばれる。セメントの水和中に、セメント-水系の絶対容積が減少し、多くの気孔が形成される。しかし、高性能コンクリートでは、水-ゲル比が低く、さらに微粒ミネラル混和剤が添加されているため、水和が制限されることがある。そのため、化学収縮は通常のコンクリートよりも小さくなる。注目すべきは、自生収縮によって形成されたひび割れは、依然としてコンクリートの微視的構造に影響を及ぼすということである。他の要因と相まって、ひび割れの引き金になることもある。
上記の要因に加えて、コンクリートひび割れのもう一つの主な原因は温度収縮応力である。この応力は、マスコンクリートに使用される大量のセメントが水和熱を放出する際に起こる温度変動と収縮によって引き起こされる。
予防と対策 - コンクリートのひび割れ対策
1.コンクリート混合比の最適化
- セメント
- 水和熱を抑えるため、低・中温セメントを優先する。
- コンクリートの強度と性能を維持しながらセメントの量を制限し、温度上昇を抑える。
- 骨材
- 適度な粒子径を持つ高品質の骨材を選ぶ。
- コンクリートの収縮を抑えるには、骨材を多く使い、セメントモルタルを少なくする。例えば、よく挽かれた骨材と中程度の砂は、コンクリートの密度を効果的に高めることができる。
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2.建設プロセスの改善
- セメントを層別または分割して注入し、層の厚さと注入速度を制御する。これは、コンクリート内部の熱を均等に分散させ、熱応力や温度勾配を避けるためである。
- 理想的な密度を保証し、コンクリートのひび割れを防ぐために、コンクリートを締め固める。
- 蒸発やひび割れを防ぐため、コンクリート打設後、プラスチックフィルムなどの断熱材をかぶせる。
- コンクリート表面に水を散布して、コンクリート内外の温度をコントロールする。これにより、コンクリートの温度を制御し、熱応力を減少させることができる。